緑色の流れ星

丑年ということもあって、牛の元気くんのことが久しぶりに新聞に載っていた。

この、元気くんとは・・・

平成１０年１０月の台風１０号災害で、岡山の県北、津山から川に流され、

約９０ｋｍ下った瀬戸内海の牛窓沖、黄島で発見された牛のことだ。

奇跡的に命が助かったということで縁起のいい牛として人気がある。

忘れもしない、元気くんが流されていたその日の朝のこと・・・

まだ、夜も明けきらない早朝５時前、出勤で家から車に乗って出ようとしたとき

空に、何か光る物体が見えた。　

緑色の流れ星のように見えた。

まさに、その牛が流されている吉井川上空の方向だ。

・・・(牛が流されたのは後日のニュースで知った）・・・

と、次の瞬間、家の出口にあるコンクリートの塀が車のほうに近づいてきた。

「ガリガリー！」と、嫌～な音。

右側のドアーをこすってしまった。

生後六ヶ月だった元気くんも、もう１０歳を超える年齢だ。

この１０年間、一度も家を出るとき車を塀にこすることは無い。

あの日(元気くんが流された日）は、緑色の流れ星が現れたり、

塀が勝手に動いたりする奇跡的なことが起こる日だったんだろうなぁ・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　梅　熊吉

 

 

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